より良い遠隔手話通訳サービスの提供を目指して、約30年の電話リレーサービス(VRS)の歴史をもつアメリカ(ギャローデット大学)の皆さんと、情報交換!
日本で公的インフラの一つとして提供されている電話リレーサービスは、まだ始まって5年ほどですが、アメリカではVRS(Video Relay Service)を約30年間提供してきたという歴史があります。
そんなアメリカにあるギャローデット大学では、2022年に災害時や緊急時に、ろう難聴者が安全に避難し情報保障を受けられるよう、DEPチーム(Disaster&Emergency Planning)を立ち上げました。
チームが今年の夏来日するということで、プラスヴォイスにもご招待し、災害時の支援方法について情報交換会を開催しました。
まず弊社から、これまで行ってきた災害時の支援方法とその課題について説明をしました。
たとえば、日本ではまだ遠隔手話通訳が普及していないこと、緊急時に遠隔手話通訳を使おうと思っても、日頃から慣れていないといざという時に使えないこと、聴者も遠隔手話通訳に接続できるようにする必要があること、プラスヴォイスでは災害時に無償で24時間通訳を提供をしているが、オペレータの負担が大きく、プラスヴォイスだけでは今後提供し続けることが難しいこと(そのために全国の自治体と協力し合いたい)などを話しました。
アメリカでは緊急情報をテレビで発信する時に、リアルタイムで字幕や手話をつけられるようにしているそうです。また、災害時に的確な通訳が行えるよう、災害対応に特化した通訳の研修を行う州もあるとのこと。
日本でもこれまで、大学の講義などのアカデミック通訳や医療通訳の専門性向上は指摘されてきましたが、災害時の通訳の研修はまだあまり開催されていないように思います。
プラスヴォイスでも今後、災害時の通訳研修を行い、ろう難聴者、聴者、誰もが安心安全に避難できる対策を進めていきたいと改めて感じた1日でした。
DEPチームの皆様、日米手話通訳をしてくださった通訳者の皆様、本当にありがとうございました!
(コンサルティング事業部 森本)